
「松阪牛」の記事一覧
松阪牛(まつさかうし、または まつさかぎゅう)とは、日本を代表する高級和牛ブランドの一つであり、「日本三大和牛」の一つとして数えられています。(他は神戸牛、近江牛または米沢牛とされることが多いです)
具体的には、以下の特徴と定義を持つ黒毛和種の牛肉を指します。
主な特徴:
きめ細かい霜降り(サシ): 赤身の中に脂肪が網の目のように細かく入っており、これが熱を加えると溶け出して肉全体を柔らかくジューシーにします。
低い脂肪融点: 脂肪が非常に低い温度で溶け始めるため、口に入れた瞬間に「とろけるような」食感が生まれます。舌触りが滑らかで、しつこさを感じにくいのが特徴です。
上品な甘みと香り: 「和牛香(わぎゅうこう)」と呼ばれる、甘く上品な独特の香りがあります。赤身の旨味と脂肪の甘みが絶妙に調和しています。
「肉の芸術品」と称される品質: その美しい見た目と極上の味わいから、しばしばこのように称賛されます。
厳格な定義(松阪牛協議会による):
松阪牛と名乗るためには、以下の厳しい基準を満たす必要があります。
品種: 黒毛和種であること。
性別: 未経産(子を産んでいない)の雌牛であること。(これが他のブランド牛との大きな違いの一つです)
肥育地域: 三重県内の指定された地域(松阪市を中心とした旧22市町村)での肥育期間が最も長く、かつ最終肥育地であること。
個体識別管理: 松阪牛個体識別管理システムに登録されていること。(生産履歴が追跡可能です)
さらに、特に優れた松阪牛は**「特産松阪牛」**と呼ばれ、以下の条件も加わります。
素牛(もとうし): 兵庫県産の黒毛和種の生後12ヶ月齢までの子牛を導入していること。
長期肥育: 指定区域内で900日以上(約2年半以上)という非常に長い期間、丹精込めて肥育されていること。
歴史と背景:
古くから但馬地方(現在の兵庫県北部)などから質の良い子牛を導入し、三重県の農家が独自の肥育技術(ビールを飲ませたり、焼酎でマッサージしたりするなどの話も有名ですが、現在は必ずしも行われているわけではありません)で丁寧に育て上げてきました。その高い品質が評価され、日本を代表するブランド牛としての地位を確立しました。
まとめ:
松阪牛は、厳しい基準をクリアした未経産の黒毛和種の雌牛であり、きめ細かい霜降り、低い脂肪融点による口どけ、上品な甘みと香りが特徴の、日本最高峰の和牛ブランドの一つです。その品質の高さから、贈答品としても非常に人気があります。